a接点は、平常時は開いていて、動作すると閉じる接点です。b接点は逆に、平常時は閉じていて、動作すると開く接点です。「平常時」は、リレー(状態を保持するラッチング形を除く)ならコイルに電流が流れていないときです。離すと戻る押しボタンやリミットスイッチなら、外から力が加わっていないときです。a接点はメーク接点・NO接点、b接点はブレーク接点・NC接点とも呼ばれます。a接点とb接点の一方の端子を共通にしたものがc接点です。

a接点は「動作で閉じる」、b接点は「動作で開く」
オムロンの用語解説は、メーク接点(常時開路接点)を、継電器(リレー)やスイッチの平常時は開いていて、動作時に閉じる接点としています。NO接点、A接点、フロント接点と呼ぶこともあります。ブレーク接点(常時閉路接点)は逆で、平常時は閉じていて、動作時に開く接点です。NC接点、B接点、バック接点とも呼ばれます。
富士電機機器制御の用語集も、a接点を、通常は開いていて、操作すると閉じる接点と説明しています。b接点は、通常は閉じていて、操作すると開く接点です。a接点の項では、通常を「すべてのエネルギー源を切り離したとき」と言いかえています。
| 項目 | a接点 | b接点 |
|---|---|---|
| 平常時 | 開いている(電流を通さない) | 閉じている(電流を通す) |
| 動作時 | 閉じる | 開く |
| 別の呼び方 | メーク接点・NO接点(オムロン、富士電機)、常時開路接点(オムロン)、常開接点(パナソニック) | ブレーク接点・NC接点(オムロン、富士電機)、常時閉路接点(オムロン)、常閉接点(パナソニック) |
| 端子記号(オムロンの押ボタンスイッチ・マイクロスイッチ) | NO(常時開路端子) | NC(常時閉路端子) |
「平常時」は、機器ごとに中身が違う
a接点とb接点を見分ける基準は、平常時です。何が平常時かは、機器によって違います。
リレー:コイルに電流が流れていないとき(ラッチング形は別)
オムロンの技術解説は、リレーを、コイルに与えられる入力信号(電圧、電流)で接点を開閉するもの、と定義しています。ヒンジ形リレーの例では、コイルに電流が流れると鉄片が鉄心に吸い付き、a接点の可動接点と固定接点が触れます。コイルの電流がなくなると、復帰ばねの力で鉄片が戻り、接点が離れます。
オムロンは、コイルの無励磁・励磁に応じて接点が切り替わるリレーを、シングル・ステイブル形と呼んでいます。この形では、コイルに電流が流れていないときが平常時、流れているときが動作時です。
一方、オムロンの用語解説には、セット状態またはリセット状態を保持できるラッチング形もあります。パナソニックの用語説明は、ラッチングリレーの結線図は一般的にリセット状態で表示される、としています。国外向け商品は逆の場合もある、とも注意しています。ラッチング形では、カタログの結線図がどちらの状態で描かれているかを確かめます。
押しボタン(離すと戻る形)・リミットスイッチ:外から力が加わっていないとき
オムロンの用語解説は、押ボタンスイッチの自由位置を「押ボタンに外部から力が加えられていないときの押ボタンの位置」としています。リミットスイッチとマイクロスイッチも同じ考え方で、アクチュエータに外から力が加わっていないときの位置を自由位置としています。
押しボタンのうち、離すと初期状態に戻るモーメンタリ動作の形なら、押していないときが平常時です。オムロンの押ボタンスイッチの概要には、オルタネイト動作などの形もあります。オルタネイト動作では、押した状態がロック機構で保持され、手を離しても接点は動作したままです。リミットスイッチなら、ドグやカムが当たっていないときが平常時です。
センサ:出力の形態や動作モードで表す
近接センサや光電センサの出力は、機械的な接点ではありません。オムロンの近接センサの用語解説は、出力の形態をNOタイプとNCタイプに分けています。
- NO(ノーマルオープン)タイプ:検出領域内に検出物体があるとき、出力がONになる
- NC(ノーマルクローズ)タイプ:検出領域内に検出物体が無いとき、出力がONになる
切替えスイッチなどでNO動作とNC動作を選べるタイプもあります(同じ用語解説)。
光電センサについて、オムロンの用語解説は「入光時ON(LIGHT ON)」「しゃ光時ON(DARK ON)」と表しています。センサからPLCへの入力が来ないときの確かめ方は、記事「センサの入力が来ないときの切り分け」で扱いました。
c接点は、a接点とb接点の一方の端子を共通にしたもの
富士電機機器制御の用語集は、c接点を、a接点・b接点の双方を持ち、一方の端子が共通な接点、と説明しています。トランスファ接点とも呼ばれます。
端子記号は、COM(共通端子)、NC(常時閉路端子)、NO(常時開路端子)です(オムロンの押ボタンスイッチ・マイクロスイッチの用語解説)。端子記号の意味から、COMとNOの間はa接点、COMとNCの間はb接点として働きます。
「2a2b」は、接点の種類と数を表す
カタログや図面では、接点の構成を「数字+記号」で書くことがあります。富士電機機器制御の用語集は、押しボタンスイッチの「2a2b」を例にしています。ボタンを押すと、a接点が2つ閉じ、b接点が2つ開く構成です。パナソニックの用語説明は、「1a、2a」を、a接点のみのリレーの例として挙げています。
形式によってa接点・b接点の数が決まっている製品もあります。たとえば富士電機機器制御のFAQでは、同社のターミナルリレーRS4Nのb接点は「1b又は2b」の形式しかありません(FAQの言い方では管理形式)。必要な接点構成が形式にあるかは、カタログで確かめます。このFAQは、4b接点を指定したい場合について、別にリレー単品(b接点)を買って入れ替えるよう案内しています。
非常停止用の押しボタンには、NC接点(b接点)を使う
IDECの安全機器講座は、非常停止用押ボタンスイッチでは、必ずNC接点を使うことが規格上求められている、と書いています。NO接点では、配線が切れているとボタンを押しても非常停止できない「危険側故障」になる、という理由です。
富士電機機器制御の用語集は、規格が非常停止用押しボタンスイッチに求める要件の1つに、直接開路動作を挙げています。直接開路動作は、操作部と接点をスプリングなどを使わず剛体で直結し、操作の力がそのまま接点を開く力として伝わる機構です。接点がわずかに溶着していても、操作すれば接点を開けます。自己保持回路の停止側をb接点で組む理由は、記事「自己保持回路とは」で扱いました。
図面で接点を読むときに確かめる順番
- 何の接点かを確かめる。リレーのコイルで動く接点か、押しボタン・リミットスイッチの接点か、タイマーの限時接点か
- その機器の「平常時」を確かめる。リレーならコイルに電流が流れていないとき(ラッチング形は別)、離すと戻る押しボタンなら押していないとき
- a接点かb接点かを確かめる。平常時に開いていればa接点、閉じていればb接点。c接点なら、COMとNO、COMとNCのどちらを使っているか
- 接点構成の表記を確かめる。「2a2b」などで、接点がいくつあるか
タイマーの接点には、設定時間を待ってから動く限時接点もあります。限時接点の読み方は、記事「タイマーリレーのオンディレイとオフディレイの違い」で扱いました。
端子にテスタを当てて導通で確かめる場合は、電源を切り、開閉器に施錠か表示をするなど、停電作業の措置をとってから行います。触れる前に、検電で電圧がないことも確かめます。停電作業で求められる措置の全体は、記事「検電して電圧がなくても、まだ触らない」にまとめました。
まとめ
- a接点は、平常時に開いていて、動作すると閉じる(メーク接点、NO接点)
- b接点は、平常時に閉じていて、動作すると開く(ブレーク接点、NC接点)
- 平常時は、リレーならコイルに電流が流れていないとき(ラッチング形は除く)、離すと戻る押しボタンやリミットスイッチなら外から力が加わっていないとき
- c接点は、a接点とb接点の一方の端子を共通にしたもの(COM・NO・NC)
- 「2a2b」は、a接点が2つ、b接点が2つの構成(富士電機機器制御の用語集の例)
- 非常停止用押しボタンスイッチにはNC接点(b接点)を使う。NO接点では、配線が切れていると非常停止できない(IDEC)
参考にした資料
- オムロン「一般リレー 用語解説 – 技術解説」(https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/36/67/index.html)
- オムロン「一般リレー 概要 – 技術解説」(https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/36/65/index.html)
- オムロン「押ボタンスイッチ 概要 – 技術解説」(https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/38/44/index.html)
- オムロン「押ボタンスイッチ 用語解説 – 技術解説」(https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/38/286/index.html)
- オムロン「リミットスイッチ 用語解説 – 技術解説」(https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/30/185/index.html)
- オムロン「マイクロスイッチ 用語解説 – 技術解説」(https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/29/38/index.html)
- オムロン「近接センサ 用語解説 – 技術解説」(https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/41/318/index.html)
- オムロン「光電センサ 用語解説 – 技術解説」(https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/43/3/index.html)
- パナソニック インダストリー「リレー用語説明」(https://industry.panasonic.com/jp/ja/products/control/relay/term)
- 富士電機機器制御 用語集「a接点(NO接点)」(https://faq-fa.fujielectric.co.jp/faq/show/4548)、「b接点(NC接点)」(https://faq-fa.fujielectric.co.jp/faq/show/4553)、「c接点」(https://faq-fa.fujielectric.co.jp/faq/show/4561)、「接点構成」(https://faq-fa.fujielectric.co.jp/faq/show/4060)、「直接開路動作」(https://faq-fa.fujielectric.co.jp/faq/show/4130)、「非常停止用(照光)押しボタンスイッチ」(https://faq-fa.fujielectric.co.jp/faq/show/4273)
- 富士電機機器制御 FAQ「ターミナルリレー「RS4N」で4b接点の指定はできますか?」(https://faq-fa.fujielectric.co.jp/faq/show/1184)
- IDEC「非常停止用押ボタンスイッチとは」(https://www.idec.com/ja-jp/solutions/safety/guide/safety02)

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