
現場で使える電気の理屈
── 高卒電気マンの設計図 ──
「42Vなら安全」「0.1MΩ以上なら健全」「アースをつないであるから感電しない」。現場でよく聞く言い方には、根拠がはっきりしないものがあります。
このブログでは、そうした数字や通説を、法令・規格・メーカー資料などの一次資料と、自分の現場で見たことで確かめています。合っていたものは合っていたと書き、違っていたものは、どこが違うのかまで書きます。
書いているのは高卒の電気マンです。プラントの電気設備保全を8年あまり、受配電設備の設計を経て、いまはクレーンの電気制御設計をしています。2026年に電験三種に合格しました。経歴と保有資格ははじめににまとめています。
こんな人に向けて書いています
- 現場でモータやインバータを扱っていて、理屈はあいまいなままの人
- 電気工事士・電気主任技術者の勉強中で、参考書の説明が腑に落ちない人
- 設備管理で、トラブルの原因を自分の言葉で説明できるようになりたい人
現場の通説から読む
- 濡れた手なら、42Vでも心室細動の電流が流れうる ― 死にボルトと言われる理由
- 「0.1MΩ以上」は、健全という意味ではない ― 絶縁抵抗の測定電圧と、値の読み方
- アース線をつないでも、外箱の電圧はほとんど下がらない ― 接地は、何をしている線か
- サーマルリレーは、モータの温度を見ていない ― 誰が、何から、モータを守っているのか
- スターデルタ始動でも、モータの発熱は減らない ― 始動方式で何が変わり、何が変わらないのか
- 進相コンデンサを入れても、モータの電流は減らない ― 力率改善で減るのはコンデンサより上流だけ
テーマ別に読む
感電と安全
感電、接地、絶縁、遮断器。人と設備を守る仕組みと、作業の前に確かめることです。
- 配線用遮断器は、地絡を地絡として見ていない ― 漏電遮断器と、何が違うのか
- 漏電遮断器の30mAと0.1秒は、どこから来た数字か ― 切れても感電はする理由
- 検電して電圧がなくても、まだ触らない ― 安衛則339条が停電作業に求める措置
モータとインバータ
モータが回る仕組み、インバータの制御、モータの保護。止まった・トリップしたときに何から確かめるかも書いています。
- モータが回らない原因を探す前に|盤を開けずに書き留めることと報告の言い方
- インバータのトリップの原因|過電流は加速中・減速中・運転中で疑うところが違う
- インバータとは何をする装置か ― 中身は「交流 → 直流 → 交流」
電力と力率
三相の電圧と電流、力率と進相コンデンサ。請求書の数字と現場の配線をつなげます。
受変電と保全
年次点検・月次点検の決まりがどの文書にあるか、事故のときに機器が何をするか。法令や内規、取扱説明書の原文で確かめています。
- 「年次点検は年1回」は誰が決めたのか ― 外部委託の内規と、保安規程が決める頻度
- 外部委託の月次点検は外観点検・測定・問診 ― 漏えい電流の判定値はどこにあるか
- SOG付きPASは短絡電流を切らない ― 過電流ロックで停電を待つ理由と波及事故
資格とキャリア
電験三種・電気工事士の勉強と手続き、保全から設計への転職。試験は受験案内や法令で、転職は自分が使ったサービスで確かめたことを書いています。
- 電験三種の過去問は、いつから始めるか ― 10回分を1周して受けたら、理論の8割くらいが見たことのない問題だった
- 電験三種に合格したら実務経験は要る? ― 免状の認定・外部委託・求人で根拠が別
- 電験三種の通信講座を比べる|SATで受けて合格した私が、7つの講座の公式情報を同じ項目で並べた
- 高卒・電気保全8年あまりから2回転職した記録 ― 応募するうちに選ぶ軸が入れ替わった
数字と出典について
記事では、できるだけ具体的な数値を出し、その数値の出典を記事の最後に書いています。確かめられなかったことは「確かめていない」と書き、私の見立てにすぎない部分は、そうと分かるように書きます。