
現場で使える電気の理屈
── 高卒電気マンの設計図 ──
現場で言われている数字には、根拠のはっきりしないものがあります。42Vなら安全。0.1MΩ以上なら健全。アースをつないであるから感電しない。
このブログは、そういう数字と通説を、一次資料と自分の現場で確かめた記録です。合っていたものは合っていたと書き、違っていたものは何が違うのかまで書きます。
書いているのは高卒の電気マンです。プラントの電気設備保全を9年、そのあと受配電設備の設計を経て、いまはクレーンの電気制御設計をしています。2026年に電験三種を取りました。
思い込みから探す
現場でよく聞く言い方から入れます。
- 濡れた手なら、42Vでも心室細動の電流が流れる ― 死にボルトと言われる理由
- 「0.1MΩ以上」は、健全という意味ではない ― 絶縁抵抗の測り方と、値の読み方
- アース線をつないでも、外箱の電圧はほとんど下がらない ― 接地は、何をしている線か
- サーマルリレーは、モータの温度を見ていない ― 誰が、何から、モータを守っているのか
- スターデルタ始動でも、モータの発熱は減らない ― 始動方式で何が変わり、何が変わらないのか
- 進相コンデンサを入れても、モータの電流は減らない
このブログで読めること
感電と安全
感電、接地、絶縁、遮断器。人と設備を守る側の話です。
- 配線用遮断器は、地絡を地絡として見ていない ― 漏電遮断器と、何が違うのか
- 「0.1MΩ以上」は、健全という意味ではない ― 絶縁抵抗の測り方と、値の読み方
- アース線をつないでも、外箱の電圧はほとんど下がらない ― 接地は、何をしている線か
- 三極法・二極法・クランプ式は、同じものを測っていない ― 接地抵抗計が出した数字の読み方
- 濡れた手なら、42Vでも心室細動の電流が流れる ― 死にボルトと言われる理由
モータとインバータ
回る仕組みから、インバータでの制御、そしてモータの保護まで。
- インバータとは何をする装置か ― 中身は「交流 → 直流 → 交流」
- V/f一定制御とトルクブースト ― 低速でトルクが落ちる理由を数字で追う
- PWM制御とは ― 矩形波しか作れないインバータが、なぜモータを滑らかに回せるのか
- 誘導電動機はなぜ回るのか ― 回転磁界と「すべり」の話
- 始動電流は6倍なのに、始動トルクは1.5倍しか出ない ― トルク特性曲線の読み方
- すべり4%は、そのまま4%が熱になる ― 誘導電動機の損失とすべりの関係
- 極数を増やせばインバータは要らないのでは? ― 極数と同期速度の話
- スターデルタ始動でも、モータの発熱は減らない ― 始動方式で何が変わり、何が変わらないのか
- サーマルリレーは、モータの温度を見ていない ― 誰が、何から、モータを守っているのか
- 回転数を落としても、電気代が下がらない機械がある ― インバータの省エネは、相手で決まる
- 入力電流を歪ませているのは、ダイオードではない
電力と力率
三相はなぜ3本で足りるのか。1.73倍はどこに付くのか。請求書の数字と現場の配線がつながる話です。
資格
通信教育に付いていた過去問を1周して試験に行き、8割くらいが見たことのない問題でした。電験三種を2回目で通すまでに、何をやって、何をやらなかったか。
これから書くこと
受変電設備と、その保全。キュービクル、年次点検、保護継電器、PAS・UGS。9年いちばん長くやってきた場所ですが、まだ1本も書けていません。ここを次の柱にします。
書いている人
専門教育を受けていないぶん、「これは知っていて当然」として飛ばされる部分が、自分にはわかりませんでした。その飛ばされた部分を書いています。
もう少し詳しい経緯は はじめに に書いています。
こんな人に向けて書いています
- 現場でモータやインバータを触っているが、理屈は曖昧なままの人
- 電気工事士・電気主任技術者を勉強していて、参考書の説明が腑に落ちない人
- 設備管理で、トラブルの原因を自分の言葉で説明できるようになりたい人
数字と出典について
記事では、できるだけ具体的な数値を出します。そして、その数値がどこから来たのかを記事の末尾に書いています。現場で使う以上、根拠のない数字は書けないためです。
確かめられなかったことは「確かめていない」と書きます。私の見立てにすぎない部分は、そう書きます。