記事「進相コンデンサを入れても、モータの電流は減らない」で、高圧のコンデンサには直列リアクトルを付けることになっている、と書きました。何のために付けるのかは、そこでは扱いませんでした。
この記事は、その続きです。
東芝産業機器システムのFAQは、6%に選ぶ理由を「投入時の突入電流を低減し、かつ第5高調波に対して誘導性リアクタンスとするためです」と答えています。目的は2つ。この記事では、後ろの「第5高調波に対して誘導性」のほうを計算で確かめます。
先に答えを書きます。コンデンサを100とすると、6%のリアクトルは6です。周波数が5倍の第5調波では、リアクトルは30に増え、コンデンサは20に減ります。大小が入れ替わり、回路はコイルとしてふるまいます。ちょうど釣り合うのは4%で、6%はそこに余裕を見た値です。
6%は、コンデンサに対するリアクトルの割合
「100と6」で考える
リアクタンスは、交流に対する抵抗のようなものです。コイル(リアクトル)にもコンデンサにもあり、単位はΩ。
直列リアクトルの6%は、組み合わせるコンデンサのリアクタンスに対する割合です。電源の周波数(50Hzまたは60Hz。以下、基本波)で比べます。
この記事では、コンデンサのリアクタンスを100と置きます。6%のリアクトルは6です。単位は付けません。比だけを見ます。
差し引き94なので、コンデンサの電圧は上がる
コイルとコンデンサのリアクタンスは、向きが逆です。直列にすると、引き算になります。基本波では 100 − 6 = 94。回路全体はまだコンデンサとしてふるまい、力率を改善する役目は残ります。
そのかわり、コンデンサの端子にかかる電圧は回路の電圧より高くなります。100 ÷ 94 で約1.064倍です。回路電圧6600Vなら、6600 ÷ 0.94 ≒ 7021V。
メーカーのカタログでは、6%用のコンデンサの耐電圧の欄に「7020V用-22kV」とあります(指月電機製作所)。7020V用のコンデンサの、端子と外箱のあいだ(カタログでは「端子一括外箱間」)の耐電圧が22kV、という書き方です。JEMA(日本電機工業会)のページも、現JIS品の例として「コンデンサの定格電圧7,020Vのようにリアクタンスを考慮しているもの」と書いています。計算と合います。
リアクトルのほうにかかる電圧は、1相あたり 7020 × 0.06 ÷ √3 ≒ 243V。東芝のFAQは「6600Vは7020/√3×0.06=243V が定格電圧となります」と答えています。
日本電気技術者協会の解説も、リアクトルを接続するとコンデンサの端子電圧が上がり、「それに対応した定格電圧のコンデンサを使用する必要があります」としています。6%は、リアクトルとコンデンサを組にして初めて成り立つ数字です。
第5調波では、リアクトルとコンデンサの大小が入れ替わる
リアクトルは周波数に比例し、コンデンサは反比例する
第5調波は、基本波の5倍の周波数の成分です。資料では「第5高調波」とも書かれています。60Hzの地域なら300Hz、50Hzなら250Hz。記事「インバータの入力電流を大きく歪ませているのは、平滑コンデンサ」で「5次」と書いたものと同じです。なお、その記事で電源とインバータのあいだに入れたリアクトルは、インバータの入力電流の歪みを減らすためのものです。この記事の、進相コンデンサと組にする直列リアクトルとは別の機器です。
リアクトルのリアクタンスは、周波数に比例します。5倍の周波数では5倍。コンデンサは逆で、周波数に反比例します。5倍の周波数では5分の1です。
100と6に当てはめます。
- リアクトル:6 × 5 = 30
- コンデンサ:100 ÷ 5 = 20
基本波では6対100だったものが、第5調波では30対20。リアクトルのほうが大きくなりました。差し引きは +10。この回路は、第5調波に対してはコイルとしてふるまいます。これを「誘導性」と呼びます。逆に、コンデンサのほうが大きくてコンデンサとしてふるまう状態が「容量性」です。
比で見ると、リアクトルは5倍、コンデンサは5分の1なので、2つの比は 5 × 5 = 25倍に開きます。基本波で0.06だった比が、第5調波では 25 × 0.06 = 1.5。1を超えたので、リアクトルが上回っています。
境目は4%。6%は余裕を見た値
比がちょうど1になるのは、25 × L = 1 のとき。L = 1 ÷ 25 = 4% です。
4%なら、第5調波でリアクトルとコンデンサがちょうど打ち消し合います。それより大きければ誘導性、小さければ容量性です。
東芝のFAQは、リアクトルの容量をQL、第5調波に対するインピーダンスを「Z5=5ωL-1/5ωC」と書き、こう続けます。
ここで、Z5=0とすると、QLは4%以上あればよいが、誘導性とするために余裕をみて6%としています。
4%は境目です。境目ちょうどでは、式の上でZ5が0になり、第5調波から見ると妨げるもののない通り道になります(ここはこちらの読み方です)。メーカーが書いている理由は「誘導性とするために余裕をみて」までで、6%は、4%に2ポイントを上乗せした値です。
ほかの次数も並べます(表1)。どれも、コンデンサを100としたときの値です。
| 次数 | リアクトル(6×次数) | コンデンサ(100÷次数) | 差し引き | 回路の性質 |
|---|---|---|---|---|
| 基本波 | 6 | 100 | −94 | 容量性 |
| 第3調波 | 18 | 33.3 | −15.3 | 容量性 |
| 第5調波 | 30 | 20 | +10 | 誘導性 |
| 第7調波 | 42 | 14.3 | +27.7 | 誘導性 |
| 第11調波 | 66 | 9.1 | +56.9 | 誘導性 |
| 第13調波 | 78 | 7.7 | +70.3 | 誘導性 |
6%の場合、大小が入れ替わるのは 1 ÷ √0.06 ≒ 4.08次です(図1)。それより上の次数では、すべて誘導性になります。

第3調波では、6%でもコンデンサのほうが大きい
表1の第3調波を見てください。18対33.3で、コンデンサのほうがまだ大きい。比は 9 × 0.06 = 0.54 です。
6%が誘導性にしているのは、4.08次より上だけです。第3調波は守備範囲の外にあります。
インバータの記事では、理想的な6パルス整流の高調波は「6k±1次」に並ぶ、と書きました。5次、7次、11次、13次……。この並びは、すべて4.08次より上です。この範囲の高調波に対しては、6%で誘導性になります。
ただし、設備に流れる高調波が6パルス整流からだけ来るとは限りません。第3調波がどれだけあるかは、設備ごとに違います。
誘導性にしないと、ひずみが大きくなることがある
資料は「拡大」「増大」と書いている
では、容量性のままだと何が困るのか。
指月電機製作所のカタログは、コンデンサを回路に接続すると第5高調波を中心とした波形歪が拡大することがある、とし、その理由を「これはコンデンサを回路に挿入したため高調波に対して回路が容量性になるためです」と書いています。
日本電気技術者協会の解説にも、「電力用コンデンサは波形ひずみを増大させる性質があり」とあります。
どちらも、増えるとは書いていますが、どれくらい増えるかは書いていません。そこで、仮の値を置いて計算します。
仮の値で、高調波電流の行き先を計算する
ここから先の数字は、仕組みを見るための仮の値です。実際の設備の値ではありません。
母線に、インバータなどから第5調波の電流が流れ込んでいるとします。その電流には行き先が2つあります。電源側(電力会社の系統)と、コンデンサの側です。行き先を決めるのは、2つのリアクタンスの大きさです。
電源側にも、変圧器や配線のリアクタンスがあります。これを基本波で5(コンデンサの100の20分の1)と置きます。電源側はコイルなので、第5調波では5倍の25です。
第5調波の電流1が母線に流れ込んだとき、行き先はこうなります(表2・図2)。
| 母線につながっているもの | コンデンサ側のリアクタンス(第5調波) | 電源側の電流(大きさ) | コンデンサ側の電流(大きさ) | 母線の第5調波の電圧 |
|---|---|---|---|---|
| コンデンサなし | なし | 1 | 0 | 25 |
| コンデンサだけ | −20(容量性) | 4 | 5 | 100 |
| コンデンサ+6%リアクトル | +10(誘導性) | 0.29 | 0.71 | 7.1 |

コンデンサだけのときは、コンデンサ側に5が流れます。流れ込んだのは1なので、差の4は電源側から入ってきます。電源側にも、流れ込んだ量の4倍の電流が流れることになります。流れ込んだ量より多い電流が、電源側とコンデンサのあいだを行き来する形です。母線の電圧のひずみも、コンデンサがないときの4倍になりました。
理由は、向きの違う2つが並ぶことにあります。電源側は誘導性で+25、コンデンサは容量性で−20。並列にすると、分母が 25 − 20 = 5 と小さくなり、電流が大きく出ます。分母がちょうど0になる状態が共振で、表2はそのすぐ近くです。
6%を付けると、コンデンサ側も誘導性(+10)になります。向きがそろうので、引き算が起きません。分母は 25 + 10 = 35。電流は、流れ込んだ1を2つに分け合うだけです。
もう一度書きます。表2は、電源側のリアクタンスを「コンデンサの20分の1」と置いた仮の計算です。この比は、コンデンサだけのときに第5調波の近くで共振するよう、わざと寄せた値です。実際の比は、受電点の短絡容量とコンデンサの容量で決まります。抵抗を無視しているので、共振に近いほど実際より大きな値が出ます。「4倍になる」は、この仮定での数字です。
6%を付けても、高調波電流はコンデンサ側に流れ込む
表2の6%の行には、もう一つ見てほしいところがあります。コンデンサ側へ流れる電流が0.71。流れ込んだ第5調波の7割が、コンデンサとリアクトルの側に入っています。
6%は、第5調波を締め出すものではありません。増幅しないようにするものです。リアクトルのほうが大きいとはいえ、差し引き10は、電源側の25より小さい。小さいほうに多く流れます。
直列リアクトルには、第5調波の電流をどれだけ流してよいかの値があります。JEMAのページの表では、L=6%で高圧受電設備用(許容電流種別Ⅱ)のものは、第5調波含有率が基本波電流の55%、最大許容電流が定格電流の130%です。特別高圧受電設備用(種別Ⅰ)は35%と120%。
JEMAのページは、ひずみが大きい状態でコンデンサ設備を投入すると、「リアクトルのリアクタンス低下により高調波引込現象が生じる可能性がある」とも書いています。6%は割合なので、リアクトルのリアクタンスが下がれば、その分だけ小さくなり、境目の4%に近づきます(ここはこちらの計算です)。
6%は、組み合わせが崩れると6%でなくなる
コンデンサが半分になると、3%になる
ここまでの計算は、コンデンサとリアクトルの組が設計どおりであることが前提です。
指月電機製作所のカタログに、こういう例があります。リアクトル6.38kvarは、コンデンサ106kvarに接続されて「初めて%リアクタンス6%」になる。同じリアクトルを半分の53.2kvarのコンデンサにつなぐと、%リアクタンスは3%になり、「第5高調波に対して効果がなく、時には高調波が拡大される場合もあります」。
計算で確かめます。リアクトルのリアクタンス(Ω)は、つなぐ相手が変わっても変わりません。一方、コンデンサの容量が半分になると、コンデンサのリアクタンスは2倍になります。割合は半分で、6%が3%です。
3%のとき、第5調波での比は 25 × 0.03 = 0.75。1を下回ります。表1の第3調波と同じく、コンデンサのほうが大きい状態に戻ります。
なお、106kvarと6.38kvarは、計算するとコンデンサ設備100kvarの組の数字と合います。100 ÷ 0.94 ≒ 106.4kvar、その6%で6.38kvar。
資料が注意している使い方
資料は、次のような使い方に注意を促しています。
- JEMA:「直列リアクトルに接続されているコンデンサの一部を取り外すと直列リアクトルの%リアクタンス(補償率)が低下して危険です」
- JEMA:定格周波数と違う周波数で使うと「リアクタンス(%)が変わります」として、使わないよう求めている
- JEMA:1998年より前の旧JIS準拠品と、それ以降の現JIS準拠品の組み合わせは「直列リアクトルのリアクタンス(%)が変化して危険です」
- 日本電気技術者協会:「既設のコンデンサにリアクトルを追加接続するようなことは危険となる場合があります」(端子電圧の上昇を説明した項の注意)
周波数については、計算で中身が見えます。50Hz用の6%を60Hzで使うと、リアクトルは1.2倍、コンデンサのリアクタンスは1.2分の1。割合は 6% × 1.2 × 1.2 ≒ 8.6% に変わります。東芝のFAQも、50Hzのコンデンサを60Hz地区で使うことは「容量および損失が1.2倍となるためにできません」としています。
一部の取り外し、新旧の組み合わせ、周波数の例では、リアクトルやコンデンサが単体で壊れているわけではありません。コンデンサの一部を外したり、旧JIS品と現JIS品を組み合わせたり、組のまま違う周波数で使ったりして、設計した割合からずれる。それが注意の中身です。追加接続の注意は、コンデンサの端子電圧が上がる話として書かれています。
13%は、高調波が多いところで使われる
6%のほかに、13%の直列リアクトルもあります。
資料が書いている用途は、次のとおりです。
- 指月電機製作所(カタログ):「標準品の%リアクタンスはL=6%ですが、高調波が非常に多い(電圧ひずみ率が異常に高い)場合は、L=13%品を使用します」
- 指月電機製作所(選定方法のページ):「高調波の含有が多い設置環境では、L=13%の製品が使用されます」
- JEMA:ひずみが大きく、表の6%のリアクトルで対策がとれない場合に、13%(許容電流種別Ⅰ、第5調波35%)か、特殊品の6%(第5調波70%)
計算すると、13%の境目は 1 ÷ √0.13 ≒ 2.77次です。6%の4.08次より下がります。第3調波でも 9 × 0.13 = 1.17 で、誘導性です。第5調波では 25 × 0.13 = 3.25 で、6%の1.5より大きく開きます。
ただし、13%が第3調波のために選ばれる、と書いた資料は、今回読んだ中にはありませんでした。第3調波で誘導性になるのは、こちらの計算で言えることです。
13%にすると、コンデンサの電圧はさらに上がります。東芝のFAQの例では、回路電圧6.6kVで「コンデンサ定格電圧=6.6/(1-0.01×13) = 7.59kV」、リアクトルは569Vです。指月電機のカタログでは、13%用のコンデンサの耐電圧の欄は「7590V用-22kV」です。
なお、JEMAのページによると、旧JIS品では高調波対策に8%と13%が主に使われていました。高圧配電系統に直接つながるものには、「高調波耐量をアップした」6%(許容電流種別Ⅱ)が適用されている、とも書いています。
リアクトルの役目は、第5調波だけではない
冒頭の東芝のFAQの答えには、もう一つの目的がありました。突入電流の低減です。
コンデンサを電源につないだ瞬間には、大きな電流が流れます。これが突入電流で、直列のリアクトルはこれを抑えます。指月電機製作所のカタログは、さらに「開放時の開閉器の再点弧防止にも効果があります」と書いています。JEMAのページが挙げる効果は、電圧ひずみの改善、突入電流の抑制、そして「異常電圧の発生を抑える」ことです。
突入電流がどれだけ抑えられるかの数字は、今回読んだ資料にはありませんでした。この記事でも計算していません。
「付けることになっている」の出どころ
力率の記事では、日本電気技術者協会の解説にある「規定が改正されております」を引いたまま、その規定が何を指すかを書きませんでした。
JEMAのページは、次の3つを挙げています。
- JIS C 4902:2010(高圧及び特別高圧進相コンデンサ並びに附属機器)
- JEAC 8011-2014(高圧受電設備規程)1150-9
- JEAC 8001-2016(内線規程)3815-4
JEMAの紹介では、高圧受電設備規程は6%または13%の直列リアクトルを原則としています。ただし、3つとも有償の文書で、この記事のために本体は開いていません。ここに書いたのは、JEMAがそう紹介している、というところまでです。
経済産業省が公開している電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正の版)については、PDFの本文を文字で検索しました。「直列リアクトル」「進相」「高調波」は、どれも出てきませんでした。ほかの文書に何が書かれているかは、この検索では分かりません。
自分の設備のリアクトルが6%か13%かを知りたいときは、設備を管理している人や、保安を担当している電気主任技術者に聞いてください。設備の図面や記録に残っていることがあります。
まとめ
- 6%は、基本波でのリアクトルのリアクタンスを、コンデンサのリアクタンスで割った値。コンデンサを100とすると6
- 第5調波では、リアクトルは5倍の30、コンデンサは5分の1の20になる。大小が入れ替わり、回路は誘導性になる(25 × 6% = 1.5)
- 釣り合うのは4%。6%は、誘導性にするために余裕を見て選んだ値(東芝のFAQ)
- 6%で誘導性になるのは4.08次より上。第3調波では容量性のまま
- 容量性のままだと、電源側と打ち消し合って高調波が増幅されることがある。仮の値の計算では、母線のひずみがコンデンサなしの4倍になった
- 6%を付けても、第5調波の電流はコンデンサ側に流れ込む。流してよい量には許容値がある(高圧受電設備用で基本波電流の55%など)
- 6%は組で成り立つ。コンデンサを一部外す、旧JIS品と現JIS品を組み合わせる、定格と違う周波数で使うなどで、割合がずれる
- 13%は高調波が多い設置環境で使われる(資料)。計算では第3調波でも誘導性になる
- 付けることの規定は、JEMAの紹介ではJISと高圧受電設備規程・内線規程にある(いずれも有償で未確認)
この記事の数値について
数値の根拠
- 6%の理由(突入電流の低減と、第5高調波に対して誘導性リアクタンスとするため)、Z5=0で4%、余裕をみて6% ── 東芝産業機器システムのFAQ
- リアクトルの定格電圧243V(6600V回路)、13%の例(7.59kV、569V)、50Hzのコンデンサを60Hz地区で使えない理由 ── 同じFAQ
- コンデンサだけでは高調波に対して回路が容量性になり、波形歪が拡大することがある。直列リアクトルで誘導性にする。突入電流の抑制と再点弧防止 ── 指月電機製作所のカタログ(高圧進相コンデンサ設備<油入自冷式>1-1)
- 6.38kvarのリアクトルと106kvar・53.2kvarのコンデンサの例、6%用の7020Vと13%用の7590V(どちらも耐電圧の欄。端子と外箱のあいだは22kV)、リアクトルの243V・569V、13%品を使う場合 ── 同じカタログ
- L=6%とL=13%が使われる設置環境 ── 指月電機製作所「進相コンデンサと直列リアクトルの選定方法」
- 6%の取付が原則であること、許容電流種別ごとの最大許容電流と第5調波含有率(種別Ⅱ:130%・55%、種別Ⅰ:120%・35%)、13%と特殊品の6%、高調波引込現象、一部取り外し・新旧JIS品の組み合わせ・周波数の注意、旧JIS品と現JIS品の定格電圧の例、旧JIS品の8%・13%、規定の紹介 ── JEMA「知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い」
- リアクトルを接続するとコンデンサの端子電圧が上がること、既設のコンデンサへの追加接続が危険となる場合があること、電力用コンデンサが波形ひずみを増大させる性質 ── 日本電気技術者協会の解説
- 解釈の本文に「直列リアクトル」「進相」「高調波」の語がないこと ── 経済産業省が公開している解釈のPDF(令和7年11月20日改正)を、こちらで文字検索した結果
こちらで計算したもの
1相分、抵抗は無視しています。基本波でのコンデンサのリアクタンスを100とし、単位なしで扱いました。リアクトルのリアクタンスは周波数に比例し、コンデンサのリアクタンスは周波数に反比例するとしています。図1・図2は、本文の前提と計算をもとにこちらで描いたものです(図2は仮の値の模式図)。
- 第n調波でのリアクトルとコンデンサの比:n² × L。6%なら第3調波0.54、第5調波1.50、第7調波2.94
- 第5調波で釣り合う値:5² × L = 1 から L = 4%
- 大小が入れ替わる次数:1 ÷ √L。6%で4.08次、13%で2.77次、3%で5.77次
- 13%の比:第3調波 9 × 0.13 = 1.17、第5調波 25 × 0.13 = 3.25
- コンデンサの端子電圧:6600 ÷ (1 − 0.06) ≒ 7021V、6600 ÷ (1 − 0.13) ≒ 7586V(資料の7020V・7590Vと一致)
- リアクトルの電圧:7020 × 0.06 ÷ √3 ≒ 243.2V、7590 × 0.13 ÷ √3 ≒ 569.7V(資料の243V・569Vと一致)
- 容量:100 ÷ 0.94 ≒ 106.4kvar、その6%で6.38kvar(資料の106kvar・6.38kvarと一致)
- 指月電機の例:6.38 × (53.2 ÷ 106)² ≒ 1.61kvar、1.61 ÷ 53.2 ≒ 3.0%(資料の1.61kvar・3%と一致)。第5調波での比 25 × 0.03 = 0.75
- 50Hz用の6%を60Hzで使ったときの割合:6% × 1.2² ≒ 8.6%
- 表2(高調波電流の行き先):電源側のリアクタンスを基本波で5と置いた仮の値。第5調波で電源側25。母線に第5調波の電流1を流し込み、2つの行き先に分けました- コンデンサだけ(−20):電源側 20 ÷ (25 − 20) = 4、コンデンサ側 25 ÷ (25 − 20) = 5、母線の電圧 25 × 4 = 100- 6%付き(+10):電源側 10 ÷ 35 ≒ 0.29、コンデンサ側 25 ÷ 35 ≒ 0.71、母線の電圧 25 × 10 ÷ 35 ≒ 7.1- コンデンサだけのときの共振の次数は √(100 ÷ 5) ≒ 4.47次。第5調波の近くに来るよう寄せた値です
書かなかったこと
- 突入電流が何倍に抑えられるか ── 資料に数値がなく、計算もしていません
- 実際の受電設備で、第5調波がどれだけ増幅されるか ── 受電点の短絡容量とコンデンサの容量、抵抗で決まります。表2は仮の値です
- 13%を第3調波と結びつけた資料の記述 ── 今回読んだ資料にはありませんでした
- JIS C 4902、高圧受電設備規程、内線規程の本文 ── 有償で、開いていません。規定の内容は、JEMAのページの紹介によっています
- 経済産業省の「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」 ── 原文にたどり着けず、この記事では使っていません
- 6%と13%のどちらを選ぶか、何%のコンデンサにリアクトルを付けるかといった設計の判断 ── 設備ごとの判断で、この記事では扱いません
- コンデンサやリアクトルの点検・更新の時期
参考にした資料
閲覧日はすべて2026年10月4日です。
- よくあるご質問「高圧進相コンデンサ・直列リアクトル」(東芝産業機器システム)── 6%に選ぶ理由とZ5の式、4%と6%、リアクトルの定格電圧243V、13%の場合の定格の計算例、50Hzのコンデンサを60Hz地区で使えない理由(https://www.toshiba-tips.co.jp/services/faq/trans/trans-sc-sr.html)
- カタログ「高圧進相コンデンサ設備<油入自冷式>1-1」(指月電機製作所、PDF)── 1ページの直列リアクトルの説明(容量性・誘導性、突入電流、再点弧、6.38kvarの例)、LV-6形(6%・13%)の定格と注記、LR-3形の定格電圧(https://www.shizuki.co.jp/common/pdf/catalog/electric/shizuki_01_11.pdf)
- 進相コンデンサと直列リアクトルの選定方法(指月電機製作所)── 「リアクタンス」の節(https://www.shizuki.co.jp/electric/power-factor/selection-method/)
- 知っておきたい 高圧進相コンデンサ設備の正しい取扱い(日本電機工業会)── 直列リアクトルの効果と規定の紹介、高調波対策の表、直列リアクトルご使用上の注意、旧JIS準拠品の更新(https://www.jema-net.or.jp/engineering/capacitor/con2.html)
- 力率改善はどのように行うのが良いか(日本電気技術者協会)── (3)直列リアクトルによる端子電圧の上昇、(4)過電流(https://www.jeea.or.jp/course/contents/06201/)
- 電気設備の技術基準の解釈(経済産業省、令和7年11月20日改正、PDF)── 表紙の改正履歴、本文の文字検索(「直列リアクトル」「進相」「高調波」)(https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/dengikaishaku.pdf)
- JIS C 4902、JEAC 8011(高圧受電設備規程)、JEAC 8001(内線規程)── 有償のため確認していません。名称と条項番号はJEMAのページによります
このサイトの記事
- 「進相コンデンサを入れても、モータの電流は減らない」(https://www.kousotsu-denkiman.com/power-factor/)
- 「インバータの入力電流を大きく歪ませているのは、平滑コンデンサ」(https://www.kousotsu-denkiman.com/input-harmonics/)


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