汎用モータの低速運転は何Hzまで? 20Hzで連続トルク約85%の東芝の例と5社の資料

汎用モータの低速運転は何Hzまでか。東芝FAQの低減例は20Hzで約85%、資料ごとに数字がばらばらで、どのモータにも使える共通の値はない モータとインバータ

既設の汎用モータにインバータを付けて、今より遅く回したい。そう頼まれたとき、気になるのは「何Hzまで下げてよいのか」です。メーカーの資料を開くと、30Hz以下は負荷を減らすという資料もあれば、6Hzまで連続100%という資料もあり、出てくる数字がばらばらです。

今回読んだ5社の資料には、どのモータにも使える「何Hzまで」の共通の値はありませんでした。どの資料も、汎用モータを低い周波数で回すことを禁じてはいません。負荷を下げる、温度に注意するといった条件や注意を付けています。条件が付くのは、低速では冷えにくくなるうえ、インバータで回すと損失も増えるからです。三菱電機のFAQ(2012年公開)が出している、6〜60Hzで連続100%という値も、自社の標準モータ(0.4〜1.5kW、4極)と汎用磁束ベクトル制御の組み合わせに限られます。

東芝産業機器システムのFAQの低減例では、許容連続トルク(連続でかけてよいトルク)が30Hzで100%、20Hzで約85%です。ただし、どのモータの、何を基準にした値かは示されていません。資料ごとに前提が違うので、1つの値にはまとめられません。どこまで下げてよいかの値はメーカーが出し、採るかどうかは設備の管理者が決めます。

低速では冷えにくく、インバータ駆動では損失が増える

汎用モータ(標準モータ)の多くは、全閉外扇形です。モータ自身の軸にファンが付いていて、その風で本体を冷やしています。

回転を下げれば、ファンも遅くなります。安川電機のFAQ(汎用モータと専用モータの違い)は、低速での冷却の低下をこう書いています。

モータは低速域では外扇ファンの回転数が低くなるため冷却能力が低下します。

一方で、熱のほうはほとんど減りません。負荷のトルクが同じなら、V/f一定制御では低速でも電流はほとんど変わらないからです。回転を下げても発熱はほぼそのままで、冷却だけが落ちる。この仕組みは、記事「V/f一定制御とトルクブースト」の「もう一つ、低速運転で気をつけること」の節で説明しています。

加えて、インバータで回すこと自体が、損失を増やします。富士電機の低圧三相モータ(MLK・MLU)のFAQは、インバータの出力電圧に高調波成分が含まれるため、正弦波の商用電源で回す場合に比べて「モータの発生損失が増加し」と書いています。オムロンの注意事項も、標準モータをインバータで回すと商用電源に比べ「若干発生損失が増加します」としています。

冷却が落ちるうえに、損失も増える。だから、低速で長く回すときは、負荷を下げる必要が出てくることがあります。低速でかけてよいトルクの値を出している資料は一部で、出している資料どうしも前提が違います。

メーカー5社の資料を表に並べると、前提がそろっていないと分かる

低速運転の値と注意を書いた資料を、次の表に並べます。どれもメーカーのサイトで誰でも読めるものです。

資料書いてあること値前提
東芝産業機器システム FAQ(汎用モータを低速で運転する)30Hz以下では冷却が落ちる。負荷を減らす、30Hz以上で回す、インバータ駆動用モータに替える許容連続トルク 30Hzで100%、20Hzで約85%、10Hzで約70%(「低減例」)対象機種は「共通」(同社のインバータの機種共通)。どのモータの値か、基準の周波数が50Hzか60Hzか、30Hzの100%が何に対する割合かは書かれていない
東芝産業機器システム FAQ(標準モータのインバータ駆動)一般に30〜60Hzが定トルク範囲。低速では低減が要る0Hzで約60%まで低減対象機種は「共通」。ギアモータは潤滑をモータメーカーに確認
三菱電機 FAQ(低速トルク)低速でも連続100%トルクで回せる範囲(汎用磁束ベクトル制御)6〜60Hzで連続100%トルク運転が可能FREQROL-A024(2012年公開のFAQ)、同社の標準モータ(0.4〜1.5kW、4極)と汎用磁束ベクトル制御の組み合わせ
安川電機 FAQ(汎用モータと専用モータの違い)低速では負荷を軽減しないと過熱する。専用モータは軽減しなくても過熱しない設計記載なし対象機種の表示なし(カテゴリは「インバータ&PMモータ > インバータ > 共通 > モータ」)
富士電機 FAQ(回転速度を下げて使う場合)低速ではファンの風量が減る。モータ温度に注意して使う記載なし同社の低圧三相モータ(MLK・MLU)
オムロン「インバータ 共通の注意事項」低速では冷却が悪くなる。負荷トルクを低減するか、インバータ専用モータを検討図あり(数値は使わない)同社のインバータの注意事項

表にすると、同じ問いに答えているように見えます。けれども、「前提」の列を見てください。前提がそろっていません。東芝の値と三菱の値は、同じ土俵の数字ではありません。会社ごとに、もう少し詳しく見ます。

東芝産業機器システム:30Hz以下で低減、例として20Hzで約85%

東芝産業機器システムのFAQ「汎用モータを低速で運転する」は、こう始まります。

汎用モータを低速域(30Hz)以下で運転する場合、モータ自体の冷却効果が低下するため、モータが発熱および焼損する可能性があります。

続けて、対応を3つ挙げています。

  • 負荷量を少なくする
  • 運転周波数を30Hz以上にする
  • モータをインバータ駆動用モータ(VFモータ)に替える

そして「負荷の低減例」として、次の3行があります。

運転周波数許容連続トルク
30Hz100%
20Hz約85%
10Hz約70%

この表の20Hzの約85%は、30Hzで連続でかけてよいトルクを100%としたときの割合として読めます。

同じ会社の別のFAQ「汎用モータ(標準モータ)をインバータ駆動する」は、「一般的に、30~60Hzが定トルク範囲です。」と書いています。この範囲では周波数によらず、連続でかけてよいトルクが一定、という意味で読めます。低速側については「0Hzで約60%まで低減が必要です。」としています。

気をつけたいのは、先の3行が「低減例」だという点です。どのモータの値か、50Hzと60Hzのどちらを基準にした値か、30Hzの100%そのものが何に対する割合かも、示されていません。30Hz・20Hz・10Hzの間の値や、別のFAQの0Hzで約60%とのつなぎ方も載っていません。表にない周波数の値は、表から推し量らず、メーカーに確かめてください。

三菱電機:条件を限って6〜60Hzで連続100%トルク

三菱電機のFAQ「低速トルクはどの程度出力できますか」には、東芝とはずいぶん違う数字が出てきます。

三菱標準モータ0.4〜1.5kW 4Pの場合、汎用磁束ベクトル制御との組合わせにおいて、6〜60Hzの範囲で連続100%トルク運転が可能です。

6Hzまで100%と聞くと、東芝の低減例の20Hzで約85%より、ずっと緩く見えます。

けれども、条件が2つ付いています。モータが三菱の標準モータで、0.4〜1.5kWの4極であること。インバータの制御が汎用磁束ベクトル制御であること。また、このFAQのシリーズ欄は「FREQROL-A024」(同社のインバータのシリーズ名)で、公開日時は2012年です。いまの同社の機種で同じ値になるかは、確かめていません。

同じ回答には「1Hzで150%以上」という数字もあります。これは「短時間最大トルク」と断ってある値で、連続運転の話ではありません。

安川電機・富士電機・オムロン:読み取れる値はなく、低速での注意を書いている

残る3社のうち、安川電機と富士電機の資料には、今回読んだ範囲で、汎用モータを低速で回すときに許されるトルクの数値はありませんでした。オムロンの資料には図がありますが、図から数値は読み取れませんでした。

安川電機のFAQは、汎用(標準)モータについて「低速域では負荷を軽減しないとモータが過熱します。」と書き、インバータ専用モータは「負荷を軽減しなくても、低速でも過熱しないように専用設計されています。」としています。

富士電機のFAQは、同社の低圧三相モータについて、回転速度を下げて使う場合は「モータ温度に注意しご使用ください。」と結んでいます。

オムロンの注意事項は「モータの負荷トルクを低減するかインバータ専用モータをご検討ください。」と書き、「標準モータの許容負荷特性」の図を載せています。図に描かれているのは、使用率(%ED。一定の周期のうち運転している時間の割合)ごとの線です。ただ、図は画像で、線の値を文字で確かめられず、どの線が連続運転の線かも図の注記から読み取れませんでした。そのため、図の数値は使いません。

数値が載っていなくても、図から数値を読み取れなくても、条件や注意は付いています。3社とも、低速では冷えにくくなるので気をつける、という向きは東芝と同じです。

値がそろわない資料には、前提の違いが少なくとも4つある

なぜ、東芝の低減例は20Hzで約85%、三菱の値は6Hzまで100%なのか。どちらかが誤りだと言える材料は、今回読んだ資料の中にはありません。並べた資料を見比べると、次の4つの違いが見つかります。

  1. どのモータの話か。三菱の値は、同社の標準モータのうち、容量と極数を限った値です。東芝のFAQは、どのモータの値かを書いていません。モータが違えば、冷え方も違います
  2. インバータの制御方式。三菱の値は、制御を汎用磁束ベクトル制御にした場合のものです。東芝のFAQ(汎用モータを低速で運転する)も末尾で、自動トルクブースト制御やベクトル制御を使うと「モータ電流が減少する可能性があります」と書いています。電流が変われば、発熱も変わります
  3. 資料の機種と年代。三菱のFAQは、シリーズ欄が FREQROL-A024 で、公開日時の表示は2012年です(今回読んだ三菱電機のFAQ3本は、どれも同じ2012/02/27の表示)。東芝のFAQは「共通」で、更新日の表示がありません
  4. 連続か、短時間か。東芝の低減例の3行と三菱の「6〜60Hz」は連続運転の値です。三菱の「1Hzで150%以上」は短時間の値で、オムロンの図は使用率ごとの線です。同じ「%」でも、測っている時間が違います

東芝の低減例と三菱の6〜60Hzの値の差にかかわりうるのは、このうち1〜3です。4は、三菱の短時間の値やオムロンの図を、ほかの値と並べるときの違いです。加えて、東芝の低減例は、基準の周波数も、100%が何に対する割合かも書いていないので、三菱の値と数字の大小をそのまま比べられません。

だから、値を平均したり、いちばん緩い値を「代表値」にしたりはしません。使う値は、あなたの設備のモータとインバータを作ったメーカーの値です。

電子サーマルの低速での働きは、機種とモータの種類の選択で変わる

「インバータには電子サーマルがあるから、熱くなりすぎれば止まるのでは」。そう考える人もいます。低速で止めるかどうかは、インバータの機種と、つながっているモータの種類の選び方で変わります。

電子サーマルは、インバータの中にある、モータの過熱を防ぐための保護です。この保護は、電流をもとに働いています。三菱電機の別のFAQ「サーマルの考え方について」は、モータがインバータに比べて小さすぎると「電流検出の精度が荒くなる」と書き、その場合は外部のサーマルで保護するよう求めています。電子サーマルは、モータの温度を直接測っているわけではありません。モータの温度を見ていない点は、盤の中のサーマルリレーと同じです。記事「サーマルリレーは、モータの温度を見ていない」で書いたとおりです。

ただし、今回読んだ東芝と安川電機のFAQは、標準モータが低速で冷えにくいことに合わせて、低速で保護を引き下げる働きに触れています。富士電機のFAQには、モータの冷やし方で電子サーマルの特性を選ぶ項目があります。

  • 東芝のFAQ(汎用モータを低速で運転する):モータ過負荷(OL2)の保護レベルは、30Hz以下の領域で、低減例のように下げてある
  • 安川電機のFAQ(モータ保護機能選択):標準モータ用の選択では、回転数が下がると「電子サーマルの設定電流以下でも過負荷でトリップするように働きます」
  • 富士電機のFAQ(機種:FRENIC-Ace):電子サーマルの特性を、軸にファンが付いた汎用モータか、別のファンで冷やすインバータ用モータかで選ぶ項目がある

安川電機・富士電機・三菱電機の資料には、つながっているモータの種類を選ぶ項目があります。安川電機の資料に沿えば、低速で保護を引き下げる働きは、インバータの側で、つながっているモータの種類として標準モータを選んである場合のものです。富士電機のFAQは、選ぶ項目に「低周波数で運転する場合,冷却能力が低下します」と添えていますが、保護のレベルが低速でどう変わるかは、確かめた範囲(特性選択の表)には書かれていません。東芝のFAQ(汎用モータを低速で運転する)は、この選択には触れていません。

選び方を取り違えた例は、三菱電機のFAQ「適用モータ選択について」に載っています。三菱の定トルクモータ(同社のインバータ用のモータ)をつないでいるのに、インバータの側で標準モータを選んでいると、電子サーマルが標準モータの特性で動き、低速で100%負荷を連続でかけると「サーマルエラーとなってしまいます」。止まる必要のないところで止まる、という向きの取り違えです。

反対の向きの取り違えも考えられます。先に引いた安川電機のFAQ(モータ保護機能選択)は、インバータ専用モータ用の選択では「定格電流以下でトリップするような事はありません」と書いています。安川電機のこの説明に沿えば、汎用モータをつないだまま専用モータ用の選択になっていると、低速で設定電流以下でもトリップする働きは、期待できないことになります。その場合、電流が定格以下のままモータが低速で熱くなっていても、インバータが止めないことがあります。ほかの会社の機種については、今回読んだ資料からは分かりません。

モータの種類を選ぶこの項目は、安川電機のFAQではL1-01(モータ保護機能選択)、三菱電機のFAQではPr.71(適用モータ選択)、富士電機のFAQ(機種:FRENIC-Ace)ではF10です。項目の名前と番号、設定値の意味は、インバータの機種で違うことがあります。FAQの設定値をそのまま当てはめず、機種の取扱説明書とモータに合わせて決めます。

もう一つ、三菱電機のFAQ(サーマルの考え方)と富士電機のFAQ(機種:FRENIC-Ace)は、1台のインバータで複数のモータを回す場合にも触れています。インバータの電子サーマルでは個々のモータを守れないので、モータごとにサーマルを入れる、という内容です。

攪拌機をインバータ化したとき、私が見に行ったのは盤の温度だった

私は、プラントの電気保全を8年あまりやっていました。その間に、タンクの攪拌機を、マグネットスイッチで入り切りする回路から、インバータで回す回路に替えたことがあります(記事「攪拌機のインバータ化で、止めたのは1勤だけ」)。目的は、攪拌機の回転速度を変えることでした。

触ったのは、インバータの基本パラメータだけで、あとは回転方向と電流値くらいです。運転状況に異常がないかは、操業側が時間をかけて確かめる、というくらいでした。インバータを設置したので、私は数日、盤の温度に変化がないかを見に行ったくらいです。

ただ、盤の温度は盤の中の熱で、モータの冷え方とは別のものです。

値を出すのはメーカー。問い合わせでそろえる情報は7つ

汎用モータを何Hzまで、どれだけの負荷で回してよいか。その値を出せるのは、モータとインバータを作った会社です。設備で採るかどうかを決めるのは、設備の管理者です。

問い合わせるときは、次の情報をそろえておくと話が早くなります。機器の情報は、図面や機器台帳、銘板の記録から拾えます。運転電流は、点検や運転の記録にある値を使います。

  • モータのメーカーと型式(容量、極数、200V級か400V級か)
  • インバータのメーカーと型式
  • 回したい周波数の範囲と、その周波数で回す時間(連続か、ときどきか)
  • いまの運転電流(商用電源で回しているときの値。インバータで回しているなら、その周波数と電流)と、モータの定格電流(銘板の値)。負荷の大きさの目安になります
  • 1台のインバータで回すモータが1台か、複数台か
  • (インバータがすでに付いているなら)インバータの電子サーマルが、つながっているモータの種類(標準モータか、インバータ専用モータか)に合わせてあるか。設定の記録で分からなければ、分からないまま問い合わせてかまいません
  • モータで回す機械(負荷)の種類と、ギアモータかどうか。ギアモータなら、東芝の別のFAQ(標準モータのインバータ駆動)は潤滑に問題がないかをモータメーカーに確かめるよう書いています

回したい条件がメーカーの値の範囲に収まらないとき、東芝のFAQ「汎用モータを低速で運転する」とオムロンの資料が挙げている道は、負荷を軽くするか、モータをインバータ用のものにするかです。呼び名は、東芝はインバータ駆動用モータ、オムロンはインバータ専用モータです。安川電機のFAQ(汎用モータと専用モータの違い)も、専用モータは軽減しなくても過熱しない設計だとしています。東芝は、30Hz以上で回すことも挙げています。どれを選ぶかは、設備の管理者とメーカーで決めてください。回すのは、メーカーの値の範囲までにしてください。

既設のモータにインバータを後付けするときは、冷却のほかに絶縁も確かめる必要があります。そのことは、記事「すべり4%なら、回転子に渡った電力の4%が熱になる」の「それでも誘導電動機が使われる理由」の節に書きました。先に引いた東芝の別のFAQ(標準モータのインバータ駆動)も、400V級の標準モータについて、モータ端のサージ電圧による絶縁破壊を防ぐためのフィルタ(オプション)が要ると書いています。

まとめ

  • 汎用モータ(標準モータ)を低い周波数で回すことを、今回読んだ5社の資料はどれも禁じてはおらず、条件や注意を付けている
  • 条件が付くのは、冷えにくくなるうえ、損失も増えるから。軸のファンで冷えるモータは、回転が落ちると風も減る。インバータで回すと損失も増える(富士電機の低圧三相モータのFAQ。オムロンは「若干」と書く)
  • 東芝のFAQが示す低減例では、許容連続トルクが30Hzで100%、20Hzで約85%、10Hzで約70%(どのモータの値か、基準の周波数が50Hzか60Hzか、30Hzの100%が何に対する割合かは書かれていない)。同社の別のFAQは、0Hzで約60%まで下げる必要があるとしている
  • 三菱電機のFAQには「6〜60Hzの範囲で連続100%トルク運転が可能」とある。ただし同社の標準モータ(0.4〜1.5kW、4極)と汎用磁束ベクトル制御を組み合わせた場合の、FREQROL-A024(2012年公開のFAQ)の値
  • 安川電機・富士電機の資料には、今回読んだ範囲で、汎用モータを低速で回すときに許されるトルクの数値がない。オムロンの図の数値は、画像で値を確かめられず、どの線が連続運転の線かも読み取れないので使わない
  • 値がそろわない資料どうしは、モータ、制御方式、機種と年代の前提が違う。連続か短時間かも資料と値によって違う(東芝の低減例も、三菱の6〜60Hzの値も、連続の値)。今回読んだ資料には、東芝と三菱のどちらかが誤りだと言える材料はなく、平均も代表値もとらない
  • インバータの電子サーマルは電流をもとに働く。東芝のFAQは、30Hz以下でモータ過負荷(OL2)の保護レベルを低減例のように下げてあると書く
  • 安川電機の資料では、標準モータ向けの低速での保護の引き下げは、インバータの側で標準モータを選んである場合の働き。富士電機・三菱電機の資料にも選ぶ項目はあり、東芝のFAQ(汎用モータを低速で運転する)は選択に触れていない。安川電機の説明に沿えば、汎用モータに専用モータ用の選択のままだと、電流が定格以下なら、低速で熱くなっても止めないことがある
  • 複数台を回すなら、モータごとにサーマルを入れるよう三菱電機と富士電機のFAQが書いている
  • 値を出すのはメーカー、採るかどうかを決めるのは設備の管理者。型式、周波数の範囲と時間、運転電流と定格電流、台数、電子サーマルがモータの種類に合わせてあるか、回す機械の種類をそろえて問い合わせる

この記事の数値について

数値の根拠

  • 30Hzで100%、20Hzで約85%、10Hzで約70%(許容連続トルクの低減例)、30Hz以下でOL2の保護レベルを低減 ── 東芝産業機器システム FAQ「[共通] 汎用モータを低速で運転する」
  • 一般的に30〜60Hzが定トルク範囲、0Hzで約60%まで低減 ── 東芝産業機器システム FAQ「[共通] 汎用モータ(標準モータ)をインバータ駆動する」
  • 6〜60Hzで連続100%トルク運転(三菱標準モータ0.4〜1.5kW 4極、汎用磁束ベクトル制御)、1Hzで150%以上(短時間最大トルク。三菱標準モータ4極で、汎用磁束ベクトル制御とすべり補正機能を選んだ場合) ── 三菱電機 FAQ 11482(シリーズ FREQROL-A024、公開日時 2012/02/27)
  • 電気保全8年あまり ── 書き手の経歴です

参考にした資料

メーカーの公開資料(閲覧日 2026-10-05)

  • 東芝産業機器システム FAQ「[共通] 汎用モータを低速で運転する」/ 確認した範囲:本文全体(冷却の低下、対応3つ、負荷の低減例、OL2の注記、自動トルクブースト制御・ベクトル制御の注記)(https://www.toshiba-tips.co.jp/services/faq/inverter/0016.html)
  • 東芝産業機器システム FAQ「[共通] 汎用モータ(標準モータ)をインバータ駆動する」/ 確認した範囲:定トルク範囲、低速運転時・高速運転時の低減、注1・注2、400V級モータのサージ電圧(https://www.toshiba-tips.co.jp/services/faq/inverter/0579.html)
  • 三菱電機 FAQ 11482「低速トルクはどの程度出力できますか」(シリーズ FREQROL-A024、公開日時 2012/02/27)/ 確認した範囲:回答全文(https://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/11482?site_domain=default)
  • 三菱電機 FAQ 11153「適用モータ選択について」(シリーズ その他、公開日時 2012/02/27)/ 確認した範囲:回答全文(https://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/11153?site_domain=default)
  • 三菱電機 FAQ 11052「サーマルの考え方について」(シリーズ その他、公開日時 2012/02/27)/ 確認した範囲:回答のうち電流検出の精度と、複数台運転の段落(https://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/11052?site_domain=default)
  • 安川電機 FAQ-00899「汎用(標準)モータとインバータ専用モータの違いは?」/ 確認した範囲:回答全文(https://www.e-mechatronics.com/support/faq/detail.html?num=899&parent0=68&cate=68)
  • 安川電機 FAQ-00767「モータ保護機能選択(L1-01)で、設定値0と1,2の違いを教えて下さい。」/ 確認した範囲:回答全文(https://www.e-mechatronics.com/support/faq/detail.html?num=767&parent0=68&cate=68)
  • 富士電機 FAQ No.3542「低圧三相モータ(MLK・MLU):回転速度を下げて使用する場合気を付けることはありますか?」(更新日時 2024/03/25)/ 確認した範囲:回答全文(https://faq.fujielectric.com/faq/show/3542?site_domain=default)
  • 富士電機 FAQ No.3596「【機種:Ace】電子サーマルの設定はどうしたらいいですか?(モータ保護用)」(更新日時 2024/04/19)/ 確認した範囲:特性選択の表と、注意事項(複数台)(https://faq.fujielectric.com/faq/show/3596?site_domain=default)
  • オムロン「インバータ 共通の注意事項 – 使用上の注意事項」(最終更新日 2026年10月01日の表示)/ 確認した範囲:モータ適用上の注意事項(既設標準モータへの適用、一般的注意)(https://www.fa.omron.co.jp/product/cautions/9/133/index.html)

このサイトの記事

  • 「V/f一定制御とトルクブースト ― 低速でトルクが落ちる理由を数字で追う」(https://www.kousotsu-denkiman.com/vf-control/)
  • 「すべり4%なら、回転子に渡った電力の4%が熱になる ― 誘導電動機の損失とすべりの関係」(https://www.kousotsu-denkiman.com/slip-and-loss/)
  • 「サーマルリレーは、モータの温度を見ていない ― 誰が、何から、モータを守っているのか」(https://www.kousotsu-denkiman.com/thermal-relay/)
  • 「攪拌機のインバータ化で、止めたのは1勤だけ ― 停止の前に済ませた設置と、できる限りの配線」(https://www.kousotsu-denkiman.com/kakuhanki-inverter/)

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