電験三種に合格すると、次に気になるのは、その免状で何を任されるのかです。工場の受変電設備は範囲に入るのか。会社で耳にする「選任」「兼任」「外部委託」は、どう違うのか。
この記事は、この2つの問いに、電気事業法と施行規則、経済産業省の内規・告示・Q&Aの原文で答えます。私は2026年8月のCBTで電験三種に合格しましたが、免状はまだ交付されていません。主任技術者として働いた経験から書いたものではなく、条文を読んだ記録です。
先に答えを書きます。第三種の免状で保安の監督ができるのは、施行規則第56条の表で、電圧5万V未満の事業用電気工作物です。ただし、出力5,000kW以上の発電所と蓄電所、表の四・六に当たるダム水路やボイラー・タービンの電気以外の部分は除かれます。主任技術者の扱いは選任・兼任・外部委託・許可選任の4通りで、国への手続きは、選任が届出、兼任が届出と承認、外部委託が承認、許可選任が許可です。
第三種の免状で監督できる範囲は、施行規則第56条の表が決めている
主任技術者免状の種類は、電気事業法第44条第1項が7つ挙げています。電気主任技術者の免状は、そのうち第一種から第三種までの3つです。
それぞれの免状で何を監督できるかは、法律の本文には書かれていません。第44条第5項は、免状を持つ者が「保安について監督をすることができる」範囲を、経済産業省令で定めるとしています。省令に任せているわけです。
この省令が電気事業法施行規則で、第56条が「免状の種類による監督の範囲」を表で定めています。第三種の行は、原文ではこうです。
電圧五万ボルト未満の事業用電気工作物(出力五千キロワット以上の発電所又は蓄電所を除く。)の工事、維持及び運用(四又は六に掲げるものを除く。)
第一種と第二種の行と比べると、違いは電圧の上限と出力の除外にあります。
| 免状 | 電圧の上限 | 出力で除かれるもの | 表の四・六 |
|---|---|---|---|
| 第一種 | なし | なし | 除く |
| 第二種 | 17万V未満 | なし | 除く |
| 第三種 | 5万V未満 | 出力5,000kW以上の発電所・蓄電所 | 除く |
第三種の行の条件を分けると、3つになります。
- 電圧が5万V未満であること
- 発電所・蓄電所なら、出力が5,000kW未満であること
- 表の四と六に掲げる範囲ではないこと
3つとも満たして、はじめて第三種の範囲です。
「5万V未満」でも、出力5,000kW以上の発電所と蓄電所は外れる
電圧の条件と出力の条件は、別々に効きます。電圧が5万V未満でも、出力が5,000kW以上の発電所は、第三種の範囲の外です。
見落としやすいのが蓄電所です。括弧書きは「発電所又は蓄電所」と書いていて、蓄電所も同じ5,000kWの線で外れます。
一方で、この括弧書きが挙げているのは発電所と蓄電所だけです。工場やビルの需要設備は、この出力の条件の対象として名前が挙がっていません。ただし、工場の構内にある発電設備がここでいう「発電所」に入るのかは、調べがついていない点です。
なお、「電圧五万ボルト未満」の電圧を、設備のどこの電圧で見るのかは、第56条には書かれていません。そこは、この記事で確かめられなかった点です。
表の「四又は六」は、ダム水路とボイラー・タービンの範囲
第一種から第三種までの3つの行の末尾には、どれも、表の四と六を除くという括弧書きが付いています。
四は第一種ダム水路主任技術者免状、六は第一種ボイラー・タービン主任技術者免状の行です。四は水力設備(小型のものなどで、別に告示するものを除く)、六は火力設備・原子力設備などの工事、維持及び運用で、どちらも「電気的設備に係るものを除く」と書かれています。
つまり、表の四・六に当たるダムや水路、ボイラーやタービンといった電気以外の部分は、電気主任技術者の免状の範囲から外れています。第一種でも同じです。
選任は、免状を持つ人を設置者が選んで届け出る
範囲の次は、その免状を持つ人をどう置くかです。基本の形が選任です。
電気事業法第43条第1項は、設置者(条文の言葉では「事業用電気工作物を設置する者」)に、免状を持つ人の中から主任技術者を選任するよう求めています。選んだあとは、第3項が届出を求めます。
主任技術者を選任したとき(前項の許可を受けて選任した場合を除く。)は、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
届け出る書類は、施行規則第55条の「主任技術者選任又は解任届出書」です。選任に、国の承認は要りません。設置者が選び、届け出る手続きです。
選任の単位は、施行規則第52条第1項の表が決めています。需要設備に関わる行は2つです。
- 表の三:需要設備などの「設置の工事のための事業場」
- 表の六:発電所、蓄電所、変電所、需要設備などを管理する事業場を「直接統括する事業場」
どちらの行にも、第一種・第二種・第三種の3つの免状が並んでいます。この表が示すのは免状の種類だけです。どこまで監督できるかは、前の節の第56条が決めています。
選ぶ相手は、原則として設置者か、その役員・従業員
誰を選ぶかは、経済産業省の「主任技術者制度の解釈及び運用」(以下「内規」)の1.(1)にあります。
原則として、事業用電気工作物を設置する者(以下1.において「設置者」という。)又はその役員若しくは従業員でなければならない。
自家用電気工作物には、例外が2つあります。
- 派遣労働者で、選任する事業場等に常時勤務する者
- 保安管理業務の委託を受けた者(受託者)か、その役員・従業員で、その事業場等に常時勤務する者
どちらも、労働者派遣契約や委託契約に、内規が挙げる事項が約されている場合に限られます。派遣労働者の場合、その事項には、設置者が主任技術者の意見を尊重することなどが含まれます。
条文が求めているのは、免状の交付を受けていることです。試験に合格しただけでは、この選任の対象に入りません。免状の申請の手順は、記事「電験三種は合格しただけでは免状は届かない」にまとめました。
別の事業場に勤務する人を選任できる場合
選任される事業場と、ふだん勤務している事業場が違う形もあります。内規1.(3)は、次の要件をすべて満たせば、自家用電気工作物の設置場所と異なる事業場等に常時勤務する者を、電気主任技術者として選任できる、としています。
- 選任する事業場等が、最大電力2,000kW未満の需要設備で、電圧7,000V以下で受電するもの
- 選任する人が、設置者またはその役員・従業員、設置者の親会社か子会社の従業員、設置者と同一の親会社の子会社の従業員のどれか(ほかに外部選任・みなし設置者の場合の定めがある)
- 第1種から第3種までの電気主任技術者免状のどれかを持っている
- 常時勤務する事業場等か住所から2時間以内に到達でき、点検は規則第53条第2項第5号の頻度に準じて行う
- 必要な事項を主任技術者に連絡する責任者が選任されている
この形も、手続きは届出です。要件に適合することを確認できる説明書等を、届出に添えます。
1人を2つ以上の事業場の主任技術者にする場合は、別の話になります。次の兼任です。
兼任は原則禁止。国の承認を受けたときだけ認められる
施行規則第52条第4項は、兼任を禁止するところから始まります。
事業用電気工作物を設置する者は、主任技術者に二以上の事業場又は設備の主任技術者を兼ねさせてはならない。ただし、事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安上支障がないと認められる場合であって、経済産業大臣(監督に係る事業用電気工作物が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その設置の場所を管轄する産業保安監督部長。第五十三条の二において同じ。)の承認を受けた場合は、この限りでない。
承認を受けるには、第53条の2の「主任技術者兼任承認申請書」に、兼任を必要とする理由を書いた書類と、主任技術者の執務に関する説明書を添えて出します。兼任でも、それぞれの事業場で主任技術者を選任することに変わりはありません。電気事業法第43条第3項が届出から外しているのは許可による選任だけなので、兼任のときも選任の届出は要ります。
承認の基準は、内規の6.(1)です。電気主任技術者の兼任では、次の要件をすべて満たすことが求められています(このほかの⑥は、離島などでの配慮の定めです)。
- ① 兼任させる事業場等が、電圧7,000V以下で連系等をするもの(「連系等」は原文の語)
- ② 兼任する事業場が、常時勤務する事業場の設置者の事業場か、その親会社・子会社の事業場か、同一の親会社の子会社の事業場であること。または、常時勤務する事業場か既に兼任している事業場と同じ敷地内にあって、両方の設置者の間で取り決めなどの要件を満たす事業場であること
- ③ 第1種、第2種、第3種の電気主任技術者免状のうち、いずれかの交付を受けている
- ④ 勤務先の事業場かその人の住所から、2時間以内に着ける(海洋再生可能エネルギー発電設備の場合のただし書がある)。点検の頻度は第53条第2項第5号に準じる
- ⑤ 主任技術者が常時勤務しない事業場には、必要な事項を連絡する責任者が選任されている
内規は、さらに「特に慎重を期する」場合を挙げています。兼任させる事業場等の最大電力が2,000kW以上になる場合(太陽電池発電所と蓄電所は出力5,000kW以上、それ以外の発電所は出力2,000kW以上)と、兼任させる事業場や設備が6以上になる場合です。
要件の③にあるとおり、第三種の免状を持つ人も、兼任の要件から外れてはいません。ただし、承認を出すかどうかを決めるのは経済産業大臣か産業保安監督部長です。この要件を読んで、自分の職場で兼任できるかを判断することはできません。
外部委託は、主任技術者を選任しないことの承認
外部委託は、主任技術者の置き方ではありません。置かない形です。施行規則第52条第2項は、承認を受けた事業場について「電気主任技術者を選任しないことができる」と定めています。
対象は自家用電気工作物で、条件は3つです。保安管理業務を委託する契約が、次の条(第52条の2)の要件に合う相手と結ばれていること。保安上支障がないこと。そして承認を受けていること。承認するのは経済産業大臣で、事業場が1つの産業保安監督部の管轄区域内のみにあるときは、その監督部長です。
対象になる自家用電気工作物は、第52条第2項の各号が決めています。
| 号 | 設備 | 出力 | 電圧 |
|---|---|---|---|
| 一 | 太陽電池発電所・蓄電所 | 5,000kW未満 | 7,000V以下で連系等 |
| 二 | 水力・火力・風力の発電所 | 2,000kW未満 | 7,000V以下で連系等 |
| 三 | 一・二以外の発電所 | 1,000kW未満 | 7,000V以下で連系等 |
| 四 | 需要設備 | ― | 7,000V以下で受電 |
| 五 | 配電線路 | ― | 600V以下 |
工場やビルの受変電設備で関わるのは、第4号の「電圧七千ボルト以下で受電する需要設備」です。第三種の範囲(5万V未満など)の中でも、外部委託にできるのは、その一部に限られます。

承認の基準と、委託の相手
申請には、第53条第1項の「保安管理業務外部委託承認申請書」に、委託契約の相手方の執務に関する説明書、委託契約書の写し、相手方が要件に当たることを証する書類を添えます。
承認の基準は第53条第2項で、次の各号のすべてに適合していなければ承認されません。
- 委託契約の相手方が、第52条の2の要件に当たる
- 相手方が法人なら、保安業務担当者が定められている
- 委託契約が、保安管理業務の委託だけを内容とする
- 火薬類(煙火を除く)を製造する事業場や石炭坑の電気工作物ではない
- 点検を「別に告示する頻度」で行うことなどが、委託契約に定められている
- 相手方の主たる連絡場所が、事業場に「遅滞なく到達し得る場所」にある
最後の「遅滞なく到達」について、内規4.(9)は「2時間以内に到達することを要することとする」としています。海洋再生可能エネルギー発電設備には、ただし書があります。点検の頻度の中身には、この記事では立ち入りません。その告示(平成15年の第249号)の第4条が、設備の条件によって頻度をどう決めているかは、記事「「年次点検は年1回」は誰が決めたのか」で扱いました。
委託の相手は2種類です。第53条第3項は、要件に当たる個人事業者を「電気管理技術者」、法人を「電気保安法人」と呼んでいます。承認を受けた設置者は、保安の確保に当たって、委託の相手の意見を尊重しなければなりません(第53条第4項)。
委託を受ける側の要件 ― 第三種なら実務5年
ここからは、委託を受ける側の話です。電気管理技術者として外部委託を受けるには、施行規則第52条の2第1号の要件をすべて満たす必要があります。実務の経験などの細目は、平成15年経済産業省告示第249号(以下「告示」)が定めています。
- イ 電気主任技術者免状の交付を受けている
- ロ 告示で定める要件(実務の経験)に当たる
- ハ 告示で定める機械器具を持っている
- ニ 担当する事業場の種類と規模に応じて告示の方法で算定した値が、告示の値未満
- ホ 保安管理業務の適確な遂行に支障を及ぼすおそれがない
- ヘ この記事では中身を省きます
実務の経験は、告示の第1条です。事業用電気工作物の工事、維持又は運用に関する実務に従事した期間が、通算して次の期間以上であることを求めています。
| 免状と修了したもの | 必要な実務の期間 |
|---|---|
| 第一種 | 3年 |
| 第二種 | 4年 |
| 第三種 | 5年 |
| 第二種・第三種で、免状の交付後に保安管理業務の講習を修了 | 3年 |
| 第二種・第三種で講習と訓練の両方を修了、または第一種で訓練を修了(いずれも交付後) | 2年 |
数え方には、注意する点が2つあります。
1つ目は、免状を受ける前の期間です。告示は、免状の交付を受けた日より前の実務を「その二分の一に相当する期間」として数えます。
2つ目は、設備による短縮です。設備容量300kVA以下、受電設備がキュービクル式、主遮断装置がPF・S形、という条件をすべて満たす需要設備を受け持つ場合は、表の期間から1年を減じることができます(告示第1条第2項)。
経済産業省の「主任技術者制度に関するQ&A」(令和8年10月)は、数える経験の種類についても答えています。一般用電気工作物の経験は、外部委託制度が事業用電気工作物の保安管理を行うものであるため「認められません」。小規模事業用電気工作物の経験も同じです。
受け持てる量にも上限があります。担当する事業場ごとに告示第3条の換算係数を掛けた値(換算値)を合計し、その合計が告示の値「三十三」未満であることが要件です(施行規則第52条の2第1号ニ、告示第3条)。これとは別に、内規4.(3)は、外部委託の承認の審査で上の箇条のホ(支障のおそれ)を見るときに、個人事業者がほかに職業を持っている場合は「特に慎重を期する」としています。
私はプラントの電気保全を8年あまりやってきました。その期間が告示の言う実務に当たるかどうかは、この記事では判断しません。実務の経歴は、外部委託の承認の審査で確かめられるものです。
許可選任は、免状のない人を選ぶ例外
4つ目は、免状を持たない人を主任技術者にする形です。電気事業法第43条第2項がこう定めています。
自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く。)を設置する者は、前項の規定にかかわらず、主務大臣の許可を受けて、主任技術者免状の交付を受けていない者を主任技術者として選任することができる。
選任の届出を定めた第3項は、この許可による選任を届出の対象から外しています。手続きは、施行規則第54条の「主任技術者選任許可申請書」に、選任を必要とする理由を記載した書類と、選任しようとする者の知識及び技能に関する説明書を添えて出す形です。
許可の基準は内規2.(1)で、事業場と人の両方に条件があります。事業場は、たとえば次のものです(設置の工事のための事業場と、これらのみを直接統括する事業場。非自航船用の電気設備には、別の数値があります)。
- 出力500kW未満の発電所または蓄電所
- 電圧10,000V未満の変電所
- 最大電力500kW未満の需要設備
- 電圧10,000V未満の送電線路
人の条件は、高等学校などで所定の科目を修めて卒業した者、第1種電気工事士(原文では一部が除かれています)、第1種電気工事士試験に合格した者などです。最大電力100kW未満の需要設備(非自航船用の電気設備は別の数値)などのみを直接統括する事業場であれば、第2種電気工事士なども加わります。そのうえで、保安上の支障がないときに限って許可が出ます。
電験三種に合格して免状を待っている人は、この人の条件のどれにも、名前では挙がっていません。内規には「同等以上の知識及び技能を有する者」という項目もありますが、合格者がそこに当たるかどうかは、原文からは読み取れません。
4つの違いを1つの表で
ここまでの4つを、同じ列で並べます。
| 区分 | 主任技術者 | 国への手続き | 対象の例(需要設備の場合) | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 選任 | 免状を持つ人。原則は設置者か、その役員・従業員 | 届出 | 免状の範囲内(第三種は第56条の範囲) | 法第43条第1項・第3項、規則第52条第1項、内規1. |
| 兼任 | 免状を持つ1人が、2以上の事業場等を兼ねる | 届出と承認 | 連系等の電圧が7,000V以下 | 法第43条第3項、規則第52条第4項、内規6. |
| 外部委託 | 選任しない。電気管理技術者か電気保安法人に保安管理業務を委託 | 承認 | 第52条第2項の各号(需要設備は第4号) | 規則第52条第2項・第52条の2・第53条、告示 |
| 許可選任 | 免状の交付を受けていない者 | 許可 | 需要設備なら500kW未満など | 法第43条第2項、規則第54条、内規2. |
表の「対象の例」は、それぞれの区分の入口の条件です。この条件を満たしても、承認や許可が出るとは限りません。
自分の事業場の形は、文書と人で確かめる
自分の職場がどの形かは、まず次の文書を開いて確かめます。
- 保安規程:電気事業法第42条にもとづいて設置者が定め、国に届け出る規程
- 委託契約書:外部委託の事業場の場合
聞く相手は、選任されている主任技術者、外部委託なら委託先の電気管理技術者か電気保安法人です。制度そのものの疑問は、Q&Aの表紙が案内しているとおり、事業場を管轄する産業保安監督部等に「事前にご相談下さい」とされています。
まとめ
- 第三種の免状で監督できる範囲は、施行規則第56条の表が決めている。電圧5万V未満が上限。発電所・蓄電所は出力が5,000kW以上なら外れ、表の四・六(ダム水路・ボイラー・タービンの電気以外の部分)も入らない
- 出力の除外は発電所と蓄電所だけ。電圧の判断点は第56条に書かれていない
- 選任:設置者が免状を持つ人を選び、届け出る。選ぶ相手は、原則として設置者自身か役員・従業員。別の事業場に常時勤務する人を選任できるのは、最大電力2,000kW未満で7,000V以下受電の需要設備で、2時間以内に到達できることなどの要件をすべて満たすとき
- 兼任:原則として禁止。連系等の電圧が7,000V以下であることなどの要件を満たし、承認を受けたときだけ認められる。それぞれの事業場での選任の届出も要る
- 外部委託:第52条第2項の各号の自家用電気工作物(需要設備は第4号)で、承認を受ければ電気主任技術者の選任が要らなくなる。委託を受ける電気管理技術者は、第三種なら実務5年(免状交付前の期間は半分で数える。交付後の講習の修了などで短くなる)
- 許可選任:免状のない人を、許可を受けて選任する例外。事業場(需要設備なら500kW未満など)と人の両方に条件がある
- 合格しただけでは、免状を前提にする選任・兼任の主任技術者にはなれず、外部委託を受ける電気管理技術者にもなれない
免状が届く前でも、自分の職場がこの4つのどの形なのかは確かめられます。保安規程か委託契約書を開くところから始めてください。
この記事の数値について
数値の根拠
- 第三種の範囲(電圧五万ボルト未満、出力五千キロワット以上の発電所又は蓄電所を除く、四又は六を除く)と、第一種・第二種の範囲(第二種は電圧十七万ボルト未満)は、電気事業法施行規則第56条の表によります。e-Gov 法令検索の法令データと、表示された法令ページの本文の2通りで、同じ文言であることを確かめました。閲覧日の施行規則は、令和8年4月1日施行(令和七年経済産業省令第六十八号)の改正を反映した版です。
- 外部委託の対象(出力5,000kW未満、2,000kW未満、1,000kW未満、電圧7,000V以下、電圧600V以下)は、施行規則第52条第2項によります。
- 選任の届出、許可選任、免状の種類と範囲の委任は、電気事業法第43条・第44条によります。閲覧日の電気事業法は、令和8年8月3日施行(令和八年法律第六十八号)の改正を反映した版です。
- 別の事業場に勤務する人の選任の要件(最大電力2,000kW未満、電圧7,000V以下、2時間以内)は内規1.(3)、兼任の承認の基準(要件の電圧7,000V以下・2時間以内と、特に慎重を期する2,000kW・5,000kW・6以上)は内規6.(1)、許可選任の事業場(500kW、10,000V)と人(100kW未満の場合の第2種電気工事士など)は内規2.(1)、到達時間の2時間は内規4.(9)によります。内規は、経済産業省のPDF(制定 20210208保局第2号 令和3年3月1日、閲覧日の表紙で最後の改正 20250318保局第1号 令和7年4月1日)で確認しました。
- 実務の期間(3年・4年・5年・3年・2年)、免状交付前の期間を二分の一で数えること、1年を減じる設備の条件(300kVA以下、キュービクル式、PF・S形)は告示第249号第1条、換算値の合計が33未満であること(値の33は同第3条第4項、「未満」は施行規則第52条の2第1号ニ)によります。告示の改正履歴の最終行は、令和8年10月1日の第127号です。
- 一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物の経験が認められないことは、主任技術者制度に関するQ&A(令和8年10月)の3.1によります。
- 内規と告示の数値・条件の文言は、PDFからの取り出し方を変えて2回取り出し、同じ文字列であることを確かめました。
こちらで計算したもの
- 免状の交付前の実務の数え方の例:交付前に4年の実務がある第三種の人は、告示の「二分の一」により2年として数えます。5年に届くには、交付後にさらに3年が要る計算です。告示の文言から私が計算したもので、承認する側が個別の経歴をどう認めるかを示すものではありません。
- 本文の表(第56条の範囲、第52条第2項の各号、実務の期間、4つの区分)は、原文の条件を写して並べ直したものです。ほかに計算はしていません。
書かなかったこと
- 第56条の「電圧」を設備のどこの電圧で判断するか ── 第56条に定めがなく、ほかの資料で確かめていません
- 工場の構内にある発電設備が、第56条の「発電所」に当たるか ── 発電所の定義の条を確かめていません
- 「連系等」の定義 ── 条文と内規の語をそのまま使い、定義の条は確かめていません
- 電験三種に合格して免状が未交付の人が、許可選任の「同等以上の知識及び技能を有する者」に当たるか ── 原文から判断できません
- 内規3.(施行規則第52条第1項の表第6号の事業場の選任・統括)の中身 ── 読んでいません
- 外部委託の点検の頻度 ── 施行規則第53条第2項第5号が「別に告示する頻度」としている中身は、この記事の問いから外れるため扱っていません(告示第249号第4条の中身は、本文でリンクした年次点検の記事で、その記事の調べにもとづいて扱いました)
- 告示第3条の換算係数の一覧と、告示で定める機械器具の一覧 ── 仕組みだけを書きました
- 保安管理業務の講習・訓練を実施している機関と日程 ── 確かめていません
- 告示の令和8年10月1日の改正(第127号)の中身 ── 改正履歴に名前があることだけを確認しています
- 発電所、ダム水路、ボイラー・タービンの主任技術者の細目 ── 需要設備の側の読者を想定して絞りました
- 選任・兼任・外部委託それぞれの件数や割合 ── 統計に当たっていません
参考にした資料
閲覧日はすべて2026年10月4日です。
法令(e-Gov 法令検索)
- 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号) / https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 / 確認した範囲:第43条の全文、第44条第1項・第2項・第5項。第42条第1項は、同じ日に別の記事のために原文を確かめた記録によります
- 電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号) / https://laws.e-gov.go.jp/law/407M50000400077 / 確認した範囲:第48条第3項、第52条(第1項の表、第2項、第4項)、第52条の2、第53条、第53条の2、第54条、第55条、第56条
経済産業省
- 電気事業法 告示・内規等(一覧ページ) / https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/denjikokuji.html / 確認した範囲:内規・告示・Q&Aへのリンク
- 主任技術者制度の解釈及び運用(20210208保局第2号、閲覧日の表紙で最後の改正 20250318保局第1号) / https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/syuningijutsusya_naiki.pdf / 確認した範囲:表紙、1.(1)〜(3)、2.(1)、4.(3)・(7)①イ・(8)・(9)、6.(1)、1.から6.の見出し
- 平成十五年経済産業省告示第二百四十九号(電気事業法施行規則第五十二条の二第一号ロの要件等に関する告示) / https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/tenkenhindokokuji.pdf / 確認した範囲:改正履歴、第1条、第3条
- 主任技術者制度に関するQ&A(令和8年10月) / https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/law/files/syuningijutsusya_qa.pdf / 確認した範囲:表紙、目次、3.1 実務経験。第三種の監督範囲についての問いは、全文の文字列検索で見つかりませんでした


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